2つの「スクエアリング」により、シンボリックな建物を創出すると同時に、街並デザインとの調和を計る。
敷地はビジネスと商業により常に賑わいを保つ都心部に位置する。 雑然とした街並みに強いアクセントを付加することで、新たな街並み景観を創出しうる最先端と言える都市型マンションを目指した。 本建物はファサードの上層・低層に特徴的な 2つの「スクエアリング」という明確なモチー フを採用することで、一見してマンションとは思えないシンボリックな印象を与えるデザインとしている。 さらに2つのリングに加え、天然石パネルやランダムに配置したアルミルーバーなどを配置し、建物全体のグラフィックバランスを 重視することで、シャープかつリズミカルなファサードを生み出している。 また、先鋭的なデザインでありながら、周辺建物とのデザインバランスをも重視しており、巨大な建物のファサードをリングにより分節することで、街並との調和を計る懐の深 いデザインとしている。 隣接する建物は主に45階建てのビル群がスカイラインを形成している。 2つのスクエアリングは周辺建物と比べ大型である建物ファサードを分節し、周辺建物と同程度の量感に見せる役割を担っている。 さらに低層階のリングは周辺の建物に揃う高さに配置しており、街並のスカイライン構成に参加するよう配慮している。
こうしたデザインの洗練によりコンセプトの要である「スクエアリング」は、グラフィックによる視覚的な効果を得て機能を発揮することになる。 機械的な役割ではなく、デザインにより生まれる機能による独創性と協調性の両立を狙いとし、景観や街づくりに対する建築の可能性を追求した。エントランスホールは2階ラウンジまで吹抜けを介して連続しており、立体的な千鳥配列をモチーフにした空間構成となっている。
名称 | ピアース千代田淡路町 |
竣工 | 2017年 |
デザイン監修 | 株式会社フレグライン建築設計 |
所在地 | 東京都千代田区神田美土代町 |
用途 | 共同住宅 |
階数 | 地上13階-地下1階建 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |