COURT下馬は、PIAS西麻布に続く、2作目のRC薄肉ラーメン構造を採用した集合住宅である。厚さ250mmの壁状の柱と、同厚の床状の梁を主たる構造部材とし、室内に柱・梁型による突起の無い、プレーンな内部空間を確保している。また、開口部廻りに構造部材が無い為、床⇔天井、壁⇔壁間いっぱいのフルサッシを採用し、高い開放性を獲得した。意匠、構造、工法等、汎用性の高い工法を用いた上での総合的なデザインにより実現した構成である。
当設計には、従来のエントランスホールをなく、ウッドデッキテラスをエントランスエリアとしている。建物の中心的存在であるこのスペースは、共用のテラスであると同時に、各住戸の窓先空地、エントランスホール、屋外避難階段等の機能を併せ持っている。都市型の集合住宅に必要となる各々の要素は通常分散して配置されるが、これらを建物の中心に結合して配置することで、広がりのあるパブリックスペースとして有効活用することを可能にしている。
名称 | COURT下馬 |
所在地 | 東京都世田谷区下馬 |
設計 | 有限会社イズム建築計画担当:福田馨・山口俊 |
施工 | 株式会社片山組担当:新田稔 |
構造 | 株式会社長坂設計工舎担当:長坂健太郎大石明子 |
設備 | 有限会社スリーク担当:野掘正弘 |
竣工 | 平成17年11月 |
設計概要 | |
用途 | 集合住宅 |
階数 | 地上6階建 |
構造 | 鉄筋コンクリート造(薄肉ラーメン構造) |
建築面積 | 216.47㎡ |
延床面積 | 956.58㎡ |