[オフィスエリアから住環境への転換を導く、都市型共同住宅のあり方を提案する]
都心への利便性が非常に高い中規模オフィスエリアにおいて、空室状況が目立つ、つまり事務所ビルが飽和状況あるエリアが近年増加している。こうしたエリア内に、集中的に共同住宅への建替えが頻繁に行われる事例が増加している。
当建物の敷地も同様に、住環境エリアへの転換が行われている場所である。
当計画では事務所ビルと共同住宅が混在し、変化して行く場所において、双方の建物特性の良好な要素を併せ持ち、なおかつ街並に違和感の無い建築を目指した。
周囲の真新しいオフィスビル群が見せる、近代的なデザインを共同住宅にとり込む事で、住宅ともオフィスビルとも分類できないデザインとした。
現在の共同住宅は非常に高性能であり、技術的に熟成されている。オフィスビルならではの高い開放性やシステマティックな構成要素を共同住宅に取り入れる事で、その高い性能を伺うことができるデザインとしている。
共同住宅のオフィスエリアへの参入による街並の転換は、都心部の各地で益々増加して行くと考えられる。各々が無作為に開発を行えば、街並が混沌とした状況に陥る事は容易に予想できる。
緑あふれる・暖かい建物のみを単純に良質な住環境と考えるのはこうした状況では非常に危険であり、都市環境のスムーズな変換を考慮する必要がある。
街並に対して視野を拡げ、その変化に対応できる中間的、又は懐の深いデザインこそが、発展途上ではない熟成した近代の都市型建築には必要であり、また、それを成し遂げるデザイン技術の熟成が求められていると考えている。
名称 | ZOOM日本橋浜町 |
竣工 | 2018 |
設計監理・デザイン | 株式会社フレグライン建築設計 |
所在地 | 東京都中央区日本橋浜町 |
用途 | 共同住宅 |
階数 | 地上12階-地下1階建 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |